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「郡上八幡・山と川の学校」から学ぶ報告書

「郡上八幡・山と川の学校」から学ぶレポート
2008.5/10
島根県立大学08年卒業 椋木愛美
【経 緯】
 地域振興の課題は人材と資金と言われている。
 郡上八幡の「山と川の学校 冒険キッズ」の取り組みは、全国的にはNPOなどのボランティアで取り組まれている体験学習を株式会社が実施し、多くの直接雇用や若者の定住に繋がっている。
 そのノウハウなどを島根の地で活かすことができないか、学生の視点で考える機会を与えていただいた。
 これは、学生の視点で見た、郡上から学ぶレポートである。
【現 状】
 まず、郡上八幡の「山と川の学校 冒険キッズ」の取り組みの現状であるが、中京地域の小学生を対象に日帰りから1週間程度の長期体験活動をプログラムし、年間延べ12,000人の参加者がある。
 その効果であるが、地域振興という側面では、常時雇用者11名を生み出すとともに、地域の高齢者の生きがい対策や、民宿経営者などの活力醸成に大きく貢献し、地域の総合力の向上に繋がっている。
 また、コアとなる学生アルバイトスタッフ20名と、登録アルバイトスタッフ150名を擁し、学生スタッフの中から15名の定住者が生まれている。
 今後、体験活動に参加した小学生の中から、必ずこの地域への定住者が生まれるものと考えられる。
【考 察】

○「冒険キッズ」等の取り組みが成果(好評≒利益)を上げている理由
  • 広報の適切さ・費用対効果(生協・子ども会・親子劇場・スイミングスクール・ボーイスカウト等)
  • プログラムが地域の特性とマッチしていること
  • スタッフ確保(日本福祉大学に「冒険キッズ」スタッフのサークルを創るなど)が円滑にいっている
  • スタッフ育成プログラムの充実
  • 対応のきめ細かさ(バスの送迎、アレルギー対策、障害児対応など)
  • 子ども達の自主性の尊重(「尊重されている」→自分たちで考える・工夫する→達成感→「また参加したい」)

○島根県での応用(課題も含めて)
  • 活動場所候補
  • 例:鵜鷺地区、奥出雲地域(自然体験)、雲南地区、美保関地区(自然体験、海遊び)、海士町(自然体験、農業体験、漁業体験、海遊び)、弥栄地区(自然体験、農業体験)、桜江町(自然体験、羊の毛刈り、川遊び)、浜田漁港(漁業体験)、匹見町(自然体験、農業体験、川遊び)等
  • 活動拠点と活動場所の決定
  • 活動拠点を松江に置くなら活動場所も松江近辺に限定するのか、県西部や隠岐地方にも足を伸ばすのか。後者の場合のスタッフ育成法の工夫等の検討。
  • スタッフの確保
  • 例:島根大学の旧コミュニティワークスのメンバー等を募り新しいサークルを立ち上げる、島根県立大学のBBSサークル、里山レンジャー等との連携等
  • 広報の工夫
  • 子ども人口の少ない島根県だけをターゲットにするのではなく、米子、岡山、広島等も視野に入れる必要があるかもしれない。
  • プログラム
  • 「冒険キッズ」のように春〜冬の独自プログラムを数パターン用意するのか、現地のインストラクター(講師)にレクチャーしてもらうスタイルにするのか。
  • コンセプト
  • この活動を団体の主な活動とするのか、団体の活動のひとつとするのか。その際のコンセプトは「都会の子どもに田舎体験をしてもらう」のようなものなのか、「現代の子どもに田舎体験等を通して元気になってもらう」と幅広くするのか。
  • 諸経費と利益の上げ方
  • 必要経費(維持費、保険、バス代、食事代、人件費等)と利益の還元。

○期待される効果
  • 都会の子どもに田舎体験(自然体験、産業体験)をしてもらうことで、活力を取り戻してもらう。
  • 子どもの受け入れを行う地域に雇用を生み出し、生きがい対策や経済波及効果によって地域の活性化を促す。
  • 定住促進のインセンティブとなる。
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